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定着液 (写真現像) : ウィキペディア日本語版
定着液 (写真現像)[ていちゃくえき]

定着液(ていちゃくえき)は、写真映画現像工程において、フィルム印画紙などの感光材料に対して使用する、薬品あるいは薬品の混合液である〔、2011年12月3日閲覧。〕〔、2011年12月3日閲覧。〕。チオ硫酸ナトリウムハイポ)の20-25%水溶液を主体とする〔〔。定着液は一般に白黒フィルムコダクローム、フィルムを含めたすべてのフィルム現像に用いられる。画像を形成する以外のハロゲン化銀を除去し、画像を安定させることが目的の作業に用いる液体である〔よいこのための暗室の本、2011年12月6日閲覧。〕。
== 概要 ==
定着液は画像を安定化する。すなわち、フィルムや印画紙に残留した未感光のハロゲン化銀を除去し、画像を形成する還元された金属銀を残して、光によってそれ以上の変化が起きないようにする。定着を行わなければ、残留したハロゲン化銀がすぐに黒ずみ、画像のを引き起こす。定着液の主剤として一般的なものは、チオ硫酸ナトリウム〔〔あるいはチオ硫酸アンモニウムであり、後者を用いたものは処理時間が短くて済むため「迅速定着液」と呼ばれる〔Sowerby, p.324–326.〕。
一般にはチオ硫酸ナトリウムを基本に、現像液の混入に対する緩衝剤としての亜硫酸ナトリウム酢酸、フィルム表面のゼラチン膜を硬化させて膨潤軟化(ふやけた状態)を防ぐためのカリウムミョウバンホウ酸を加えた酸性硬膜定着液が用いられる〔。チオ硫酸アンモニウムを用いたコダックの「ラピッド フィクサー」〔白黒ケミカル一覧、コダック、2011年12月3日閲覧。〕、富士フイルムの「スーパーフジフィックスL」〔白黒写真処理薬品、富士フイルム、2011年12月3日閲覧。〕は、いずれも「迅速酸性硬膜定着液」と称している。クロモジェニックフィルムでは、色素だけを残すため、未感光の銀と画像を形成する銀の両方とも漂白定着液(通称ブリックス;"blix" = bleach fix)と呼ばれる薬品で除去する。漂白定着液にはチオ硫酸アンモニウムと、強力なキレート剤である Fe3-EDTA とが含まれている。
定着の後には水洗を行うことで、画像劣化の原因となる反応済みの薬品をフィルム表面の乳剤から除去する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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